お二人の結婚の意志が固まったら、婚約に進んでいきます。恋愛・お見合いのいずれの場合もそうですが、お二人が結婚を口約束しただけでは、婚約は成立しません。婚約の方法はいくつかありますが、両家の親または友人・知人といった第三者が立ち会うことが必要となります。
二人の口約束を形に表して、まわりで祝福してくれる人たちに対しても本当の意味で公表をし、また相手の親に対して誠意の気持ちを形に表し、さらに自分の気持ちの上でも、区切りをつける。これがいわゆる結婚しようとする二人にとっての最初のステップ、結納ということです。
一般的には、半年前が多いようです。しかし結婚までの受入準備をしたり、嫁いだり婿に行くまでの準備をしたりという忙しい時期なので、極端な話一月前でも三ヶ月前でも良いわけですが、【2】でもふれたように、特に男親にとって娘を嫁に出すというのは寂しいようですのですので、心の準備と言う意味でも多少余裕をもってされるとよいと思います。
慶事は吉日!慶事は一般的に吉日に行うというしきたりがありますが、日が良いとか悪いというのは太陰暦の六曜(または六輝)の考えから来ています。六曜には先勝(せんしょう)、先負(せんぷ)、仏滅(ぶつめつ)、大安(たいあん)、赤口(しゃっこう)の星があり、旧暦の1月1日を先勝に定め、順に配します。
ここで、結納は午前に行なうのが一般的です。ですから、大安・友引・先勝の午前中に結納される方が多いようです。 ただ決まりがあるわけではいないので、それ以外の日にしたら悪いのかというとそうではありません。しかし周りへの気配りという意味でも避けたほうがいいでしょう。
結納の形式は地方により様々です。そこでいざ結納をしようと思うと、どのようにしていいのかわからず迷われる方がほとんどのようです。新郎・新婦が幼なじみであったり、小・中学校の同級生であったりする場合は、同じ慣習のことが多いので比較的簡単に結納から結婚までの段取りができるのですが、全く違う地方の出身であったりすると結納から結婚までどのようにしたらよいのかわからない人が多いようです。
そこで一番の解決方法は、ご両家で相談です。なんだそんなことなら…と思われる方もいるかもしれませんが、これが以外に難しいのです。知らないことが恥ずかしいと思ったり、誰に聞いたらいいかわからずいつの間にか日にちが経過していた、なんてことになるのです。
ですから、ご両家で相談です。それをすることにより結納までに何回か顔を合わせたりして、ご両家が仲良くなれると一石二鳥ですね。
仲人が両家の使者となり両家を往復するスタイル
男性宅で結納品を受け取り、女性宅に納め受書と女性側の結納品を男性宅に渡す。男性側の受書を女性側に届け終了。
結納品を購入して用意し、結納後は祝い膳か会食を
仲人は立てず、レストランや料亭、女性宅で行うのが一般的。ホテルや式場の結納パックを利用することもある。
結納飾りは用意せず、レストランや料亭で会食を
最近増加している略式結納のひとつ。両家の家族が料亭などで一堂に会し、婚約記念品の交換をするケースが多い。
結納品の品目には色々な意味が込められています。
基本的なセットは5品、7品、9品で販売されています。
正式には以上の9品目ですが、最近では略式で7品目(勝男節と家内喜多留を除いたもの)、あるいは5品目(さらに子生婦、寿留女を除いたもの)で行う場合も多いようです。 また、地方によって結納品の種類や内容に違いがあります。
また、この結納品の他に受領書にあたる受書を両家が用意します。 結納品セットで市販されており、決まりごとは、目録と同様に印刷されていることが多いようです。 3.の金包にエンゲージリングをそえるのが一般的です。
結納金は結納品のひとつとして男性側から女性側に送られる、いわゆる結婚支度金です。かつてはお金ではなく帯や反物などが贈られたことから、関東では「御帯料」、関西では「小袖料」とも呼び習わされています。
現在、結納金の平均額は男性の月給の2~3か月分が目安とされ、100万円・80万円・70万円・50万円と、これも縁起のいい金額にします。とはいえ背伸びは禁物。
結婚資金やのちの新生活も考えに入れて、結納金を贈るのが現代風です。この結納金に対し女性側からお返しとして贈るのが、結納返しの「御袴料」です。
関東式では「半返し」といって、結納金の半額程度を現金でお返しするのが一般的です。対して関西式では現金での結納返しをせず、スーツや腕時計などの記念品をお返しするケースが多くなります。
以前は結納は結婚式に準ずる儀式と考えられており、服装は準礼服や略礼装にするのが普通でしたが、最近では平服で行うことも少なくありません。出席者全員の服装のバランスがとれていれば、問題ありません。ただし、仲人をたてる場合、平服では結納を軽視しているようで失礼になることもありますので、状況によっては事前に仲人と打ち合わせすることが大切になります。
女性本人の場合は、和装なら振袖や付け下げ、訪問着になります。ただし着慣れない人には食事中のたもとのあしらいが難しいし、帯が苦しく感じたりしますので注意が必要です。洋装の場合は、スーツやワンピースで充分です。しかし、あまり地味にならないようにしましょう。
男性本人の場合は、ほとんどがスーツです。しかし、女性とは逆にあまり派手にならないように気をつけましょう。ブラックスーツか紺のスーツでよいでしょう。
ご両親の場合は、ご両家で合わせてください。お父様の一方がスーツで、もう一方が紋服であったりすると変ですし、お母様も一方が洋装で、もう一方が和装になると変です。
これはホントに困りますよね。というのも、人生のうち何度も体験するものではないので、どうしても人に教えてもらうしかないからです。そこでお決まりの口上があるので、その中でポイントになる部分を暗記してしまえば大丈夫です。ここでは、最近多くなってきております「ある場所」に集合して行う結納についてお話ししたいと思います。
一番最初に話すのは両家を代表して男性(婿の場合は逆)の父親が仲人に対してです。
本日はお忙しい中、わざわざ足をお運びいただき、ありがとうございます。 ご好意に甘え、全てお世話いただくこととなりました。よろしくお願い申し上げます。
これで第一関門クリアです。この後は結納品と受書のうけわたしがあります。ここでのポイントは、「幾久しく…。」です。結納品や受書を渡すとき、納めるときに「ありがとうございます。」の後にこれをつけて「お納めください。」か「お受け致します。」をつければほぼ大丈夫です。仲人をたてる場合は仲人が主に話してくださるので、比較的両親や本人の負担は軽くて済みます。
この場合は男性の父親が中心となって、儀式を進めるのが特徴です。ですから男性の父親の負担がかなり多くなります。
この度は、こちらの○○様と私共の○○に良いご縁を頂戴致しまして、誠にありがとうございます。つきましては、本日はお日柄もよろしいので結納の儀をさせて頂きます。本来ならば仲人様を通しましてお納めするのが本筋ではございますが、前もってのお話の通り略式にてお納めさせて頂きます。
仲人をたてない場合の結納品や受書の行き来は、それぞれの母親の役目です。結納品を受け取った時や渡す時の口上の内容は、仲人をたてる場合と同じです。
関東式と関西式など、地域によってスタイルはいろいろです。結納は大きく「関東式」と「関西式」にわかれます。 関東式は男女の立場が同格扱いで、互いに結納品をとりかわします。関西式では結納品は男性から女性に贈るもので、 女性からの結納品はありません。結納は地域色が豊かなので、まずは互いの出身地のスタイルや違いを確認し、どちら に合わせるか、どんな要素を取り入れるかなど話し合ったほうがよいでしょう。
男女が同格、または女性を一段下とみなしてそれぞれが結納品を用意し、互いの結納品を同時に取り交わします。結納金については、女性が男性からもらう分の半額にあたる物品を返す「半返し」の習慣があります。関東式に準ずるのは、北海道、東北地方、新潟・長野・静岡県です。
男性側だけが女性に結納品を贈り、女性側はその場で「受書(うけしょ)」を渡し、結納品は贈りません。ただし女性は日を改めて、もらった金額の1割程度の金額を返礼として持参します。関西式に準ずるのは富山・石川・福井県、 東海・中国・四国地方です。
その他、東海は派手婚で有名です。結納品も立派で、反物や酒樽などもあります。
四国は、結納金が全国的にみても高額です。中国地方は、岡山県の袱紗など、特徴的な結納品があります。 九州地方は、関西式に準じますが、男性側が女性宅に酒一升、鯛1尾を持参する風習が全域にあるようです。 お茶も重要な結納品。結納式が終わった後、ご近所や親戚に結納品をお披露目する「お茶開き」という風習が ある地域もあります。
結納品は縁起物です。いただいた後は結婚式までとこの間に飾っておきます。地方によってはご近所や親戚に披露する習慣があるところもあります。家が手狭なら、式の直前2~3週間前だけ飾るのもいいでしょう。
挙式後は、昆布やするめなどの食品は食べてかまいません。ご近所に差し上げるのも縁起物のおすそ分けになって喜ばれます。
目録や末広は業者に依頼して、記念の飾り物としてあつらえ直して
もらうこともできます。処分する場合は、神社でお焚きあげを頼みましょう。
子供の幸せな結婚を願う気持ちは、どの親も同じです。とはいえ現実に子供から「結婚したい」 と打ちあけられると、戸惑いや不安などの複雑な思いが生まれるのも事実でしょう。
そうした戸惑いや心配が強すぎると、子供の結婚相手に対して必要以上に厳しい目で見て しまったり、結婚式の準備に無用な口出しをしてしまうことが多くなります。すると親子間は もとより、相手の家とのトラブルにまで発展しかねません。まずは祝福する気持ちを大きく 育てましょう。結婚相手に対しても「今どきの子は・・・」といった見方は極力おさえ、 おおらかに接することが大切なのかもしれません。